金曜日の花火

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「どうして、答えないの?」 指が動くたび、 全身がびりびりと痺れ熱くて、 吐く息は白さを増しているのだろう。 「…答えないと、帰さない」 そう言って、 室井樹は私の頬を両手で包んだ。 これから、 何をされるか分かっていたのに、 抵抗しなかった。 室井樹の両手に包まれ、 私は、 とても嬉しいと思ってしまったから。 ぼんやりと、 そんな事を想っていると、室井樹の口が私の口を塞いだ。 「…俺に、こうされるの嫌じゃないの?」
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