金曜日の花火

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唇をゆっくりと離し、室井樹が聞いてきた。 どちらか分からない、 両頬の熱さを感じながら口を開く。 「……嫌じゃ…ない…です」 どうしてしまったんだろう。 私は。 私の答えに、室井樹は目を大きくした後、 くしゃりと顔を緩め、 再び、唇を塞いできた。 息をする為に開けた隙から、 柔らかい舌が入ってくるのを、 抵抗せずに受け入れる。 口の中を探られるたび、 背中がぞわぞわし、 つま先から頭にびりびりと電流が走って、 鼻に掛かった吐息が、口の端からもれてしまう。 キスで、 こんなになるなんて、 初めてだった。
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