金曜日の花火
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「答えないの?」 そう言って、 こちらの気も知らずに、 室井樹は、私の頬に手を重ね顔を上げた。 この手は、とてもずるい。 感じる熱さより、 自分の頬の方が熱く感じる。 「答えないなら、帰さない」 そう言って、 室井樹は、歳に似合わない、 子供みたいな笑顔を作った。 手だけじゃなかった。 室井樹は、とてもずるい。 それに、 答えない私も。
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