金曜日の花火

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オムギに釘を刺された次の日、 会社で室井樹の姿を見ても、 私は、声を掛けなかった。 もらった本を読み終えても、 メールや電話はせず、 仕事以外の話をする事は無く日々は過ぎた。 そんな中、 私はカズオさんにプロポーズされ、 婚約し、 会社を辞める事になって、 引継ぎの業務に追われる様になった。 忙しさに埋もれていると、 小さい傷の様な気持ちは、 どこかに影を潜めてしまった。
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