金曜日の花火

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久しぶりに見た姿に、 なぜか、 どくりと心臓が鳴った。 室井樹は、私に気付いてない様子で、 声を上げた女子社員の横に促され座った。 私はその姿を視界に入れない様に、 なるべく遠い席について宴会を楽しんだ。 宴が進んで、 注がれるお酒をしこたま飲んで、 酔いが回ってきた私は、お手洗いに行こうと宴会場から一人抜けだした。 ふわふわと廊下を歩きながら、 盗み見ていた横顔を思い出し、女子トイレにたどり着いた時だ。 「結婚するんだね。おめでとう」
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