第1話

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門番は私を見るなり少し顔をしかめる。 今の私は茶色のローブを被っているから当たり前の反応だと思う。 「身分証を見せて貰おう」 スッと差し出すと門番はジーッと見て少し私をチラッと見る。 「いいぞ」 私は頭を下げてスッと中に入る。ドキドキしながら通って私は中に入る。 「あ、おい」 ドキッとしながら振り向くと門番に顔を見せろと言われる。 「………なぜですか?」 「今指名手配されている奴がいるからな」 ここで反抗したら逆に目立つ。顔を見られるのが嫌だけど目立つ方が嫌だった。 パサッとローブをとると門番は何も喋らない。 「…………」 「もういいですか?」 「あ、あぁ、すまなかった」 私はペコッと頭を下げ、再びローブを被り中に入る。
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