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奥の間と言うところに連れていかれてソファーに座らされる。
美女にお姫さまだっこと言う至福の時間の筈が、どう回避しようか悩んでいて堪能出来なかった。
「さて、貴女は何者ですか?」
「随分と唐突ですね」
ドキドキしながら平静を装って答えるとギルマスはにっこり笑う。
「身のこなしが普通の子と違ったからね」
「身のこなし……」
実はいまだに戦ってない私はよく分からない。身のこなし云々言われても前と変わらず歩いているつもりだし、急激に変わった気はしない。
「うーん………よく分かんないです、普通に歩いているつもりなので」
「そういうものだ。身のこなしは身に染み付いているから」
そういうものなのかな。私にはよく分からない世界。
「ところでフードをとってくれないか?」
「すみません無理です」
素顔を見せると言うのはある意味自殺行為だ。この世界で過ごすなら私は素顔じゃない方が確実に楽だ。
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