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妖界―――【悟倫塔(ごりんとう)】。
そびえたつ塔の頂上。
妖界では名の通った3体の『大妖怪』と、ひとりの『ニンゲン』が雁首(がんくび)をそろえていた。
「アカギの島が、なにやら騒がしかったようじゃのう。あそこには怨呂血(オロチ)の嫡男“ウワバミ”とかいう小僧が、預けられておると聞くが」
眉根を寄せる巨大なタヌキ。
“四国松山藩(シコクマツヤマはん)”かの八百八狸(はっぴゃくやだぬき)を統率する『隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)』である。
「オロチだかなんだかしらんが――――クチナシ島は、島自体が“金のなる木”。あれに支障を来たせば、わしら国家にも影響がまわる」
『ニンゲン』の正体は、世界政府の役人である。
「仮に『反乱因子』が、島のバランスを妨げるようなことがあれば、事実関係をきっちり吟味(ぎんみ)したうえで、早急に我が権力を行使する」
ぶよぶよと太ったからだ。光る丸メガネとハゲ頭。
そして右半面をおおう『瘡(カサ)』。
瘡が、ぐよぐよと嗤(わら)った。
人界では、ヤツを『闇の権力者』、『影の黒幕』と呼び、【フィクサーx】という異名もある。
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