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「結城先生も忘年会に出席してたか、二次会に今いるのか、綾子と結城先生が話してた様子はあったのか?って聞かれた。ねえ、綾子…あんた疑われてるんじゃない?…もしかして、一緒にいるの結城先生なの?」
ミチルは気まずそうに声を潜めた。
「ミチル、事情は後で話すから…。翔太に聞かれたのそれだけ?私と連絡取りたい理由は言ってなかった?」
「うん、理由は言ってなかった」
「そうか…ありがと。…また連絡するから」
「あっ、唯にも連絡してあげてね。心配してたから」
「…うん、分かってる」
目の前が真っ白になり、切った携帯を持ったまま愕然と立ち竦む。
翔太が…和馬との事を疑ってる?
そんな…
どうして…
「綾子?…もしかして彼氏にバレたのか?」
後ろで話を聞いていた和馬が、顔を強張らせ私を見つめる。
「分かんない…でも、疑ってる…。友達と一緒にいる嘘は全部バレちゃった…和馬…どうしよう…」
恐怖に脅える顔で彼を見つめ返す。
「…別に俺達が一緒にいる証拠を掴まれた訳じゃないだろ。何とでも言い訳考えられる。とにかく、ここを出よう」
和馬はそう言うと、クローゼットを開け服を取り出した。
和馬の言葉で、私ははっとして我に返る。
急いで携帯をバッグに入れ、バスローブを脱ぎ捨てると、下着を身に付け洗面所へと駆け込んだ。
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