悪夢の始まり

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「瑠美は?今からどうするの?」 すがるような気持ちで問う。 「私は今から彼の家で寝ますよぉ。もうすぐ迎えに来てくれますから」 「そうなんだ…。山ちゃんに向かったのはどの病棟のメンバー?」 金山駅まであと少し! 山ちゃんなら直ぐに合流できる! 「えーっと、山ちゃんは外来メンバーですね」 「外来!?」 …駄目だ、外来スタッフとはほとんど面識がない。 とても飛び入り参加なんて無理だ…。 更なる絶望感に襲われる。 「瑠美…悪いけど、今まで瑠美達と一緒にいた事にしてくれない?」 もう、すがるものは瑠美しかいない。 私は、動揺するまま見境なくそう口走った。 「はぁ、別にいいですけど。あっ、彼が迎えに来たんで、またメールしますね。先輩、アリバイ作りなんて、何か悪い事でもしてるんですかぁ?」 瑠美は、興味津々をあからさまにして声を弾ませる。 「ちょっと事情があるの!後で私もメールするから、アリバイ宜しくね」 そう言うと、後輩との電話を切った。 「後輩との合流は無理か・・・」 和馬がフロントガラスに視線を置いたまま、深いため息を漏らす。 「瑠美の他に、ホテル以外で飲んでる友達知らない・・・」 頼みの綱がぷつんと切れ、再び恐怖心に身を震わせる。
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