第1話

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私は消しゴムになった そしてここは文房具屋さんで、私も消しゴムとして商品の一つになっている 確認するが、私は元々人間だった筈だ 断じて消しゴムではない 記憶には無いが両親だって人間だった筈だいや、そもそも消しゴムは子供など作れない いやいや、待て 落ち着け私 動揺しているぞ 状況の確認だ あのレジの辺りに立つ中年男性は、恐らくこの店の主人だろう 上手くない鼻唄を歌っている 今の心理状態では非常に耳障りだ そして先ほど電気がついたことから、まだ開店して間もないのだろう まだ客は誰一人いない そして最後に確認だ 私は何だ 消しゴムだ
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