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マリーは精一杯笑って見せるが、今にも泣きそうな目をしている。
「姫様…。」
騎士達も悲しそうにしている。
「…………わかった。」
「!……そう、ですよね…、やっぱり私と友達なんて……」
「ところで、友達になってくれるの?」
「え?」
「「「え?」」」
「ん?」
シズクは当然の様に空気をぶち壊す。
「いやっシズク様話を聞いてましたか!?」
「うん、聞いてたよ?」
「ならどうして…!」
「関係無いよ、そんな事。」
「え…。」
「魔法が使えなきゃ友達になれないの?それとも周りに疎まれてたら友達になっちゃいけないの?」
「それはっ「違うでしょ」!」
「マリーと友達になりたいって思ったから、友達になるんだよ。」
シズクは、マリーに包み込む様な笑顔を向けている、その笑顔にマリーはぼろぼろになっていた心が癒されるのを感じて、気付かないうちに涙を流していた。
「どうして、そう思ったんですか…?」
「一目見たときから、マリーは努力の出来る人だってわかったからだよ。」
「…でも、私は、努力しても笑われて…」
「…俺は、転んでる人を笑う人が嫌いなんだ。」
「…。」
「だって、その人は歩こうとしたんだよ?」
マリーは涙が止まらなかった、それほどまでにシズクの言葉は心に染みて…
「歩こうとしない人達よりも、何度転んでも歩き続けるマリーと友達になりたい、だから…。」
認めてくれた、私を見てくれた、笑わずに手を差し伸べてくれた。
「友達に、なってほしいな?」
マリーは堪えきれず、シズクに抱き付いていた。
「おっと…。」
「はいっ…はいっ!私からお願いしますっ!私のっ!友達になって下さい!」
「もちろん、これからよろしくね!」
「はいっ!」
「あと、敬語なしで!」
「…うん、わかったよ、シズク!」
「よろしい」ナデナデ
マリーがシズクに抱きついて、シズクがマリーの頭を撫でている。
二人共笑顔で、とても美しい光景だった。
「ひ、姫様ぁ~。」
「よがっだ、よがっだよ~。」
「ひぐっ、えっぐ、嬉しいです~!」
騎士達も号泣しながら喜んでいる。
「騎士さん達もマリーの事心配してた見たいだね。」
「…うん、シズクのお陰で今なら私も分かるよ!もしかしたら気付いてないだけで、色んな人が心配してくれてたのかも…。」
マリーにとって今日は大切な事に気づけた日であり、シズクと出会えた特別な日であった。
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