第1話

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マリーは精一杯笑って見せるが、今にも泣きそうな目をしている。 「姫様…。」 騎士達も悲しそうにしている。 「…………わかった。」 「!……そう、ですよね…、やっぱり私と友達なんて……」 「ところで、友達になってくれるの?」 「え?」 「「「え?」」」 「ん?」 シズクは当然の様に空気をぶち壊す。 「いやっシズク様話を聞いてましたか!?」 「うん、聞いてたよ?」 「ならどうして…!」 「関係無いよ、そんな事。」 「え…。」 「魔法が使えなきゃ友達になれないの?それとも周りに疎まれてたら友達になっちゃいけないの?」 「それはっ「違うでしょ」!」 「マリーと友達になりたいって思ったから、友達になるんだよ。」 シズクは、マリーに包み込む様な笑顔を向けている、その笑顔にマリーはぼろぼろになっていた心が癒されるのを感じて、気付かないうちに涙を流していた。 「どうして、そう思ったんですか…?」 「一目見たときから、マリーは努力の出来る人だってわかったからだよ。」 「…でも、私は、努力しても笑われて…」 「…俺は、転んでる人を笑う人が嫌いなんだ。」 「…。」 「だって、その人は歩こうとしたんだよ?」 マリーは涙が止まらなかった、それほどまでにシズクの言葉は心に染みて… 「歩こうとしない人達よりも、何度転んでも歩き続けるマリーと友達になりたい、だから…。」 認めてくれた、私を見てくれた、笑わずに手を差し伸べてくれた。 「友達に、なってほしいな?」 マリーは堪えきれず、シズクに抱き付いていた。 「おっと…。」 「はいっ…はいっ!私からお願いしますっ!私のっ!友達になって下さい!」 「もちろん、これからよろしくね!」 「はいっ!」 「あと、敬語なしで!」 「…うん、わかったよ、シズク!」 「よろしい」ナデナデ マリーがシズクに抱きついて、シズクがマリーの頭を撫でている。 二人共笑顔で、とても美しい光景だった。 「ひ、姫様ぁ~。」 「よがっだ、よがっだよ~。」 「ひぐっ、えっぐ、嬉しいです~!」 騎士達も号泣しながら喜んでいる。 「騎士さん達もマリーの事心配してた見たいだね。」 「…うん、シズクのお陰で今なら私も分かるよ!もしかしたら気付いてないだけで、色んな人が心配してくれてたのかも…。」 マリーにとって今日は大切な事に気づけた日であり、シズクと出会えた特別な日であった。
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