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ガラガラ…ガタン…ガラガラ…ガタン。
あまり乗り心地の良くない馬車に乗りながら、シズク達は街に向かっていた。
と言っても街の門は既に見えており、周りには他の馬車や人がちらほら通り過ぎるのが確認できた。
「色んな人がいるんだなぁ、旅人見たいな格好してたり鎧を着てたり、あっ!魔法使いもいる!」
シズクは様々な格好の通行人を楽しそうに見ている。
特に魔法使いを見つけたときは興奮しながら見ていた。
「すごいなぁ~!」
「フフッ、シズク可愛い。」
「だって初めて見る光景ばっかりなんだもん!早く街に行って探索したい!」
「あまり身を乗り出したら危ないでありますよ~!」
マリーはあれから落ち着いて、可愛らしい笑顔でシズクを見ている。
騎士達もシズクとマリーとかなり打ち解けたようで、保護者の様な目線で二人を見ている。
ちなみに騎士達とは自己紹介を済ませており、三人の名前はそれぞれ、
ヒート
フーガ
ミラー
と言うそうだ。
ヒートは両手剣を主に使い、フーガはレイピア、ミラーは片手剣を使う。
三人の武器は特別製らしく……
「あの魔法使いさんの持ってる杖、先の方に『属性石』着けてるよ!」
『属性石』
魔獣から取れる魔石に魔法属性が付与されたもの。
魔法属性には「火」「水」「風」「土」「光」「闇」の基本属性と「雷」「嵐」「大地」等の複合属性、そしてそのどちらでもない「時空」「無」等の固有属性等がある。
属性石が埋め込まれた武器には魔力が宿り、付与された属性を纏う。
ヒート達の武器にも属性石が埋め込まれている。
ヒートは火属性、フーガは風属性、ミラーは水属性の属性石を持ち、剣に炎を纏ったり、風を纏って切れ味を上げたり、刃を水に代えて形を変えたり出来るらしい。
「あれは火の属性石ですね、杖等、魔法使いの武器に属性石を付けるとその属性の魔法の効果が強くなるのですよ。」
ヒートは自分と同じ属性なためか、率先して説明し…
「特に火属性は威力が高く、多くの冒険者から大人気なのです!」
…訂正、自慢している。
「まぁ一番人気は水属性ですけどねー!」
「なに!?」
ミラーが張り合って水属性の自慢を始める。
「水属性は攻撃はもちろん、癒しの効果があって特訓すれば高位の回復魔法も使えるし、旅をするときには飲み水の心配をしなくていいからね!」
「聞き捨てならないな…!」
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