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「なに?ほんとの事じゃん。」
「ハッ!攻撃力は火属性に劣り、回復魔法と言っても回復量はそれぞれの才能に左右される、飲み水等旅では用意するのは当たり前だ、なくなっても川を探せば良い。」
「相性で言えば水は火に強いし、ただぶっぱなすだけの火属性魔法と違って色んなバリエーションがある水属性魔法の方が人気に決まってんじゃん!」
「なんだと!?」
「なんだよ!?」
お互いに譲らない、そこに…
「…火魔法に水魔法も、風で吹き飛ばせば無意味、風は見えないから戦いでは有利だし、纏えば速く動けるから旅も早く終わる、風属性こそ人気ナンバーワン、最強。」
「「な~に~!?」」
フーガも混ざって一層騒がしくなった。
「あの三人、いつもあんな感じなの?」
「シズクと会うまでは、あんなに騒ぐことは無かったよ?」
「……まぁ、にぎやかなのは良いことだよね。」
「そうだね!」
そうこうしている間に、馬車は門の前についた。
門の前には門番が立っており、鎧を着て門を出入りする人や馬車を順番に検問していく。
街に出入りする人は少ない様で、すぐにシズク達の番になる。
「次!」
「お疲れ様だ、ライナー」
「!…ヒートか、久しぶりだな!」
「そうだね!久しぶり~!」
「ミラー!それにフーガまで!」
「…久しぶり。」
ヒート達と門番…ライナーは知り合いだったようだ。
「三人はこの街の出身で、幼なじみなんだって。」
「へ~。」
「!?マリアンナ姫様!なぜここに…、」
「それよりもライナー、話があるんだ。」
「?」
「ここに来る途中で盗賊に襲われた。」
「なんだと!?」
ライナーは顔を真っ青にして驚いている。
「大丈夫だったのか!?姫様に怪我は無いのか!?」
「怪我はないぞ、それどころか俺たちは運が良かったんだ!」
「運が良かった!?」
「実は恥ずかしい事に、俺たち三人は盗賊の数に圧倒されて危ない所だったんだ、だが!」
そこでヒートはシズクに顔を向けてライナーに紹介する。
「そこをこのシズク殿が救ってくれたのだ!」
「シズク殿はすごいんだよ~、武器を持ってる盗賊相手に素手であっという間に全員気絶させちゃったんだから!」
「…ちなみに盗賊は三十人ほどいた。」
「………」
「ん?ライナー、どうした?」
「もしかして、俺たちの話が信じられないの?」
「………綺麗だ…。」
「「「ん?」」」
「「はい?」」
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