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門を通り過ぎると眼前には商売人の客引きの声があちこちから届いてくる商店街のような場所だった。
多くの種族が混じりあった光景はシズクには絶景だった。
「うわぁ~!凄いにぎやかだね!」
「外壁の門の近くは人が多いから、自然と商人が集まってお店を始めるの!」
「なので、この辺りは商業区と呼ばれ、もっと奥に行くと家や宿屋がある居住区が有ります、その中間にギルドがあるので、宿の前にシズク殿の身分証を作りましょう!」
「ギルドって、さっきも言ってたけどもしかして依頼を受けて仕事をする所?」
シズクは気になっていたことを聞く事にした。
「はい、正確には冒険者ギルド、冒険者が集まり、魔獣討伐や街の住民からの依頼をこなしている場所です!」
「他にも有るけどね~、商業ギルドとか~。」
「へー…、ところで何で鎧を脱いで冒険者みたいな格好してるの?」
いつのまにかヒート達は鎧を脱ぎ、胸当てや手甲等最低限の防具にそれぞれの武器を持った、いかにも冒険者といった格好になっていた。
「我々はお忍びでこの街に来ていますから、騎士であることがばれては姫様の存在もばれてしまいます。」
「ん~…、その辺の事情も宿屋に着いたら話して欲しいな!」
「…姫様、よろしいでしょうか?」
「えぇ、出来ればシズクは巻き込みたくありませんが、それ以上にシズクと離れたくありません!」
「お~、姫様素直だね~!」
「…シズクは信じても大丈夫。」
「そうだな!宿に着いたら全部話そう!」
「ありがとう!俺も出来る限り手伝うよ!」
マリー達に対する疑問を宿屋で解決することにした所で、冒険者ギルドの前に着いた。
「結構大きいね!」
「この街の冒険者ギルドはここしかないので、沢山の冒険者が入れるようにここまで大きくしたようです。」
冒険者ギルドは二階建てで、日本の学校のように広かった。
「じゃあ入ろっか!マリーもついてくる?」
「はい!私の顔はあまり知られていませんし、シズクのそばに居る方が安心します!」
「僕はここで馬車を見とくよ~。」
「わかった!じゃあマリー、行こう!」
「はい!」
キィ…っとギルドの扉が開く、馬車番のミラーをおいてシズク達は冒険者ギルドへ入っていった。
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