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「ホントうるせぇ女」
男が耳に手を当てて言った。
「う、うるさいって何よっ!誰なのよ?!」
「だから声でけーつの。俺は春馬」
「ハルマ?」
「ああ。てかあんた何してんの?」
春馬と名乗った男が言った。
「あなたに関係ないじゃないっ!」
私はフンッと顔を反らした。
「…まあいいや。それより靴良いの?」
春馬が私が海に投げたヒールを指さして言った。
「あ…」
すっかり存在を忘れていた私のヒールが海の向こうの波に乗ってプカプカと浮いていた。
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