再び、めぐりあい。

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その後三人は、昼の休憩時間が許す限りファミレスで過ごす事となる。 涼が以前携わっていた職種が水上と同じ分野であるためか、終始その業界の話題で持ちきりだった。 あの会社が伸びている、あの価格、あの手法はどうだ、某協会の次期会長は誰々だ…等々かなり内輪の話で。 瀬名は何度もドリンクのおかわりをしながら、ただ二人のやり取りを黙って聞いていたのだった。 「それでは、水上さん、また。 次回の打ち合わせについても僕の方から伺いますので」 全員が会計を終え、店の外に出れば別れの挨拶だ。 「えぇ。お願いします。 すっごーく、期待してるので完成が楽しみです」 瀬名に笑みを向けながら、わざわざ『凄く』を強調した水上は確信犯と呼ぶべきか。 当然の如くプレッシャーを感じて固まる彼女に、水上は口角が上がるのを抑えられなかった。 「では、これで。今日は有難うございました。連絡待ってます」 水上は会釈すると、背を向け店の敷地内の駐車場へと歩き出す。 (……あ、そういえば私の携帯番号教えそびれた…) 社名ロゴの入った社用の軽自動車に乗って去る水上を見送りながら、料理が届いたお陰で話が流れていた事に今更ながら気付く。 (結局、今日中に私から電話する…んだよね) どうやら彼の意図する方向に事は運んでしまったようだ。 『連絡待ってます』 最後の言葉は誰に対して投げ掛けたものだったのか、その真意は本人である水上しか知る由が無い。
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