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鍋からカレーを、炊飯器から白米をボウルによそい、リビングのテーブルで一息つく。
と同時に、瀬名の全身に疲労感がどっと押し寄せた。
「味の保証はしないからね」
ツンとした沙那の発言とは裏腹に、カレーは空腹を訴える瀬名の体に優しく浸透する。
辛党な沙那好みの味で、ピリピリと舌が少し痛いけれど。
「お姉ちゃん、まだ仕事忙しいの？」
「うーん、今日でやっと落ち着いたって感じかな…。
無事納品出来たから、明日は土曜日だしゆっくり休むよ」
あくびを噛み殺しながらカレーを口に運ぶ。
今週に入ってから、瀬名には目まぐるしい日々の連続だった。
先週から持ち掛けていた雑貨屋『ルナ』のサイトリニューアルの話がとんとん拍子に決まったのは良かったのだが。
自社でも更新可能なシステムを導入したい、との要望があり、それに伴いデザイン変更をしなければならなかった。
更にブログを始めたいというオーナーの希望に沿い、テンプレートのカスタマイズも手掛けた。
普段ならプログラムをかじる仕事は星也に任されるのだが、彼もまた年度始めの業務に追われ手が空かず、
デザインが主である瀬名にとっては、慣れない構文の解読に四苦八苦する毎日であった。
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