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奥の部屋とは、普段PCパーツや本棚に入りきらない書籍や資料が保管されている、謂わば物置部屋だ。
休憩室の隣に配置されているそこは人目につきにくく、部屋の端にはソファーベッドが鎮座しており、仮眠には適しているとして、星也は頻繁に利用していた。
(…嘘だろ…、全然、気が付かなかったぞ…)
涼も瀬名も、星也の存在に気付けなかったのは、日常的に滅多に覗かない部屋である事はもちろん、明るい環境では寝られない星也が社内の電灯を一切消していたからだ。
更に防犯の施錠もしてあった為、涼らが察しられなかったのも無理はない。
(ちょっと待って…。最初からって…。
僕、星也さんの物真似した覚えが…。まさか、それから全部って事か!?)
これは罰ゲームか何なのかと、誰かに問いただしたいほどの現況に、涼は軽く目眩を覚える。
ただでさえ傷心の我が身。
何故黙ってほうっておいてくれなかったのか、姿を現した星也の行動を涼は忌々しく思った。
「安心しろ。口外はしない。
翌日からの仕事のやりにくさは俺にも分かる」
「え……」
星也の約束に安堵したのも束の間、同情されたような発言に涼が驚いていると、星也は語気を強めて言い放つ。
「経験者だから、分かるって言ったんだ」

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