伝えたい、真意と真実。【前編】

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「本当ですか…?」 疑う気持ちは微塵もないのに、嬉しくて思わずついて出た疑問の言葉。 瀬名は緩んだ頬を両手で押さえる。 「本当だよー。僕、よく水上に余計な事言うなって釘刺されるけど、絶対に嘘は言わないから」 津田の表情は見えなくとも、水上を慮る気持ちに溢れていて、彼の作り話だとは到底思えない。 「実際に評判も良かったんだよね。女性客中心に客層は広がったし、手間とコストをかけてでも、切り替えた意味は大いにあったと思うよ」 フレッシュの多用という行動自体は、世間的にはあまり堂々とできたものじゃないが。 (水上さんが私に、感謝―――?) トクン、と心地好い心音とともに、温かな気持ちが胸に広がっていく。 あの日から瞼に焼き付いて離れなかった、水上と女性が並んで歩く光景も。 渦巻いていた不安も、全ての負の要素が薄らいで、取り戻される、失いかけた自信。 「確実に北川さんだって証拠がある訳じゃないよ?他にも同じような飲み方してたお客さんはいただろうし。 でも水上があんまり嬉しそうに言うからさぁ、なーんか、ピンときちゃって。本人は隠してるつもりだったかもしれないけどね。 些細な接点を発見して喜ぶ水上見てたら…きっと、北川さんの事が好きなんだろうなって思ったんだよ」
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