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「水上、オムライス好きなのに、自分のメシは作るの面倒臭いとか言ってさー、作れるクセにわざわざ食べに来るんだよー。抜き打ち検査とか言って。
水上はまだ、料理が好きな気持ちは持ち続けてるはずだからさ。作ってもらうのもいいかもよー?」
「や、えと…」
意味深な津田の発言に、自分達がそれほどの関係性ではないと説明すべきか、否か。
戸惑う瀬名に、津田が更に畳み掛ける。
「って、また水上に怒られるかなー。人が寝てる間に何バラしてんだって」
「えっ、寝て…?」
どういう意味だろう、まさか私みたいに夜更かしして昼まで寝てるって訳じゃ―――。
そう思いながら不思議そうな表情を浮かべる瀬名を前に、
「あれっ、水上、言ってなかったんだ…」
津田は顔を逸らして呟いた。
「先週の頭からずっと、体調崩してるんだよ、水上」
「―――!」
「月曜日の午前中に店に来る予定だったのに、昼になっても気配がなくって。ケータイに何度電話しても出なくてさぁ。
営業部にかけたら病欠だって聞いて。ちょっと心配で家まで行ったら、リビングのソファーでぐったりしてたんだよ」
「…っ、それで今は…!?」
焦燥感いっぱいに尋ねる瀬名に、津田は相変わらずの微笑を返す。
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