伝えたい、真意と真実。【前編】

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彼女自身が自覚するよりも早く、 「行きます!」 勢いに満ちた意思表示。 (…あ、言っちゃった…) 「ん、決まり。 僕は今から直ぐに店戻って、コレ置いてくるから。北川さんはレジ済んだら駐車場に来てねー」 それじゃ、と踵を返して、チーズを抱えて会計に向かう津田の姿を眺めながら、瀬名は暫しその場でぼうっとする。 (行っていいのかな、水上さんの家。嫌がられたりしない…かな。 津田さんと一緒なら大丈夫かな…。 って、早く買い物終わらせないと!) 我に返ると、再びそそくさとカートを押し始めた。 出来るだけ手短に買い物を済ませた瀬名が、出入口正面の駐車場へ向かうと、 すぐ近くに停められたコンパクトカーから彼女の名を呼ぶ声がする。 「北川さーん、こっちこっち」 車の窓から顔を出して手招きする津田に、ショッピングバッグを両手にぶら下げて、瀬名は小走りで駆け寄った。 「ありがとうございます。お願いします」 車は彼に似つかわしい、可愛らしいベージュ色と小ぶりなフォルム。 瀬名はその後部座席へと乗り込む。
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