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伝説
●○●○●
「なぁ、聞いたかよ…、見た奴がいるんだってよ」
薄汚れた小さな酒場のカウンターで、2人の男がなにやら話している声が聞こえる。
それは、【彼女】にとっては、耳障りな話であった。
「なにがだよ」
「【人魚】だよ」
髭を無造作に伸ばした男がニヤニヤと笑いながら、隣に座っている男にそう告げた。
【人魚】
それは、この世界【フローディア】に、千年に一度、一人だけ産まれてくるという伝説の生き物だ。
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