16人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「見つけた奴には報酬があるってさ。報酬額は3億! 一生遊んで暮らせるだろ!?」
「マジかよ!?それはうまい話だよな!
なぁ、姉ちゃんもそう思うだろ?」
そう言って酔った男は、隣に座っている女の肩に、手を置いた。
女は、男の言葉に何も返さずに、黙って酒を呑んでいる。
…若い女であった。
艶やかな白髪を腰まで伸ばし、漆黒のマントに身を包んだ女。
…とても美しい女であった。
そんな彼女を見、酔った男は「ゲヘへ」と下品な笑い声をあげる。
「なぁ、姉ちゃん、綺麗な顔してんじゃねーか。どうだ?今夜ー」
【ゾクッ】
男はそこで口をつぐむ。
男は女を見て、背中に一瞬悪寒が走るのを覚えていた。
…女のその【眼】を見て。
グレーの瞳が、男を強く睨みつけていた。
その眼はまるで、【肉食獣】のようで。
男は自分がこの【獣】に身を引き裂かれてしまうかのような錯覚に陥ってしまった。![image=479649205.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/479649205.jpg?width=800&format=jpg)
![image=479649205.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/479649205.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!