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「知らない天井だ」
目をあけると真っ白、ではなく灰色だった。
仰向けに寝ていたようなのでヨッコイショ、と起き上がる。
さて、ここはどこだろうか。
まずは状況確認。
周りを見渡してみると、どこまでも灰色が続いていた。え、怖。
灰色しかない。灰色パラダイスだ。
何故俺はこんな灰パラにいるのか。
先程俺は鉄筋に潰されたはず。
思いっきり潰された。そして思いっきり下敷きになって死んだ。
死んだ。
…じゃあ、これは
「天国か」
「ちょっと違うよ」
「っ!」
勢いよく声のしたほうに振り向く。
そいつは俺の後ろにいた。
声からして男だったが案の定男。
そして、イケメン。
え、さっき見渡した時はいなかったよな…?
なにこいつ。怖。
というか、天国じゃない?
じゃあ、地獄か?
冷静にそう考えるがそれも違う気がする。
地獄って赤とか黒って感じだし。
……俺、分かっちゃったかも。
死んだ人間が天国でも地獄でもない変なとこにいて、そしてそこで変な男が出てくる。
これってアレだよねアレ。
小説とかでよくあるアレ。アレしかないよね。アレに決まってる。
アレだな。
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