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同日 夜
京の一角にある宿に
美を持つ男たちが集まっていた
「ねぇ、あいつ悪趣味すぎて
僕、もう斬りたいんだけど」
「栄太、仕方がないこと我慢しろ」
「だが、あいつはやりすぎだ
もう何人女を殺した」
「分かるが、あいつの存在は我らにとって素晴らしいものに変わりない」
「晋作、あいつを殺すとき
僕を絶対呼んでよねぇ」
「分かってらぁ」
「でも、狼のところに女中が現れたとか
あいつの言っていた通り、面白いことが起こるかもしれんな」
「桂さん、悪趣味」
「はは、女中がはずれかどうかは
あいつに見せれば分かるだろうな」
「その女中可哀想にねぇ
それに、あいつが言っていたことが本当なら、女中はなぜソチラ側についているんだろうねぇ」
「栄太が同情をするなんて・・・ククク」
「晋作、斬られたいの、ねぇ?」
「ばっ、馬鹿
んな訳ねぇだろ
それに、まだ死ねない
ここにいるやつ全員だ
俺らは、まだ死ねねぇよ」
「我らが動くは、あいつらの名が変わった時。」
ゆらりゆらりと月夜に照らされて
彼らが見るは、壬生浪士組の屯所
あいつとは一体、何者か
女中とは、誰のことなのか
分かるのは、もう少し後の話
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