第3話 右手の温かさ

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 なんだかちょっと怖いから、触らぬ神に祟りなしで、カウンターから離れ展示物の整理に向かった。  ロビーには展示棚が置かれてあって、過去製品のパッケージが陳列されている。  ガラスケースの鍵を開けて、ずれている箇所は元に戻し、ちょこちょことケアして回る。  子供の頃によく食べたお菓子のパッケージを見ると懐かしい気持ちになった。  このキャラメルのおまけで遊んだなぁとか、お姉ちゃんと取り合いしたなぁなんてね。  ほんわかと温かい気持ちになったところで、カウンターに戻る。  すると玄関のガラス扉が開かれ、すさまじい勢いでお客様が入ってきた。
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