第3話 右手の温かさ

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「はい、第一営業部の宮間(みやま)です」  落ち着きを取り戻そうと、ふたりに背を向け「こほん」と小さく咳払いしてから話し出す。 「受付の如月です。兵頭様がお見えになりました。部長にお繋ぎいただけますか?」  その時だった。 「なんだ、この失礼な女は!」  背中から怒鳴り声がして、驚いて振り返った。  見ると兵頭さんと派手女が睨み合っている。 「社会人として当然のことだと思いますけど」  何があったのかわからないけれど、ふたりはどんどんエキサイトしていく。
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