第5話 チョコの行方

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「深愛ちゃん、どうしたの?」 「きゃぁ!!」  後ろから名前を呼ばれて、飛び上がらんばかりに驚いた。  涙目で振り返ればお姉ちゃんがいた。 「驚かしちゃってごめんね」 「お、お姉ちゃん」  肩の力がするすると抜けていく。  安心して息をついた。 「非常階段を下りていたら、慌てて走っていく深愛ちゃんが見えたから……何かあったの?」  こちらを心配そうに眺めるお姉ちゃんを見ていたら、話したいって思った。  でも、何を話したらいいのかわからない。  頭の中は真っ白だった。  整理のつかない頭を持て余して、仕方なくぽつりと零した。
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