第7話 決戦はバレンタイン

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「深愛さん?」  オフィスから声を掛けられびくりと肩が震えた。  振り返らなくても声で分かった。  足音が近づいてくる。 「深愛さんだよね、こんなところでどうしたの? もしかして俺に用?」  ゆっくりと視線をずらせば斉藤さんが笑顔で立っていた。 「…………」  ダメだ。  震えちゃって、上手く答えられない。 「ちょっと話あるんだけど、少し時間貰える?」  ぽんと肩に手を置かれた。  背筋がゾワッとして、咄嗟に嫌だって感じてしまう。  そのまま肩を抱かれて、廊下を歩いていく。  突き当たりの部屋は会議室だ。  斉藤さんはその扉を開くとわたしを中に押し込めた。  無情にも扉が閉められる。
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