第7話 決戦はバレンタイン

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 会議室は二十人が収容できる広めの部屋。  角部屋で奥の二面が窓になっている。  西側に向かってコの字を描くように机と椅子が並べられていた。  笑顔だったけれど、威圧的な斉藤さんに圧倒されて、部屋の奥まで追い詰められてしまった。 「それって、俺へのチョコなんだよね?」  手に持っていた紙袋を指差された。 「……違います」 「ふーん」  斉藤さんの瞳が意地悪に眇められた。  その視線はあまりにも鋭くて鳥肌が立った。  これが彼の本性なのだと思い知る。 「神崎の噂……」 「何もかも!」  斉藤さんの言葉を遮るように口を開いた。  震える。
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