四章

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恭子がnoxの説明をする。自分達で創ったコンセプトなのに新鮮でもある。 それと同時にありきたりなコンセプトだと感じてしまう。当然だろう…魔法の様な切り口などあり得ない。 三十代女性の本音…果たしてそんなものがあるのだろうか。 厄介な年齢だと思う。半端に世の中の仕組みを理解して、ある程度先が見えてくる。 オトコに頼るのか、自分で生きて行くのか…それ程単純な事でも無い。 「さあ、それじゃあハケて貰おうか。佐久間さん、この場所使ってて構わないですか?」 佐久間は了解を出しスタッフを撤収させた。最後に恭子に近づいて、何かを耳打ちする。 そうして二人きりで〈カオル〉へのインタビューが始まる。 恭子にインタビューを受けた相手は、決まって最後に口にする。 喋り過ぎた…だとか、愉しかった。 誰だって初対面の相手に本音など話さない。恭子にかかると自然に本音を話し出すのがわかる。 だからこそこの世界で生き残っているのだ。
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