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現れたのは…ジュンさんだった。
「もう!そんな事、涼ちゃんが決めれば良いわよ。面倒くさがりなんだから」
「じゃあ、改めて紹介するね。うちの専務で経理責任者、事実上の社長」
「酷いでしょ?全部あたしに押し付けてさ」
まるで掛け合いのコントみたいだ。
「ジュンさんだったんだ…」
「そう、会社の設立から銀行との交渉から契約までジュンちゃんが居ないと回らないんだウチ」
「そうだったんですね…これからよろしくお願いします」
「もう、そんな堅苦しい挨拶…嫌よ加奈子ちゃん。そうねぇ…どうしようかしら」
「すいません…noxの経費も限りがあるので…」
ジュンさんは笑いながら答える。
「じゃあ、スタジオ代だけ請求するわね。後は使ったブランドの名前だけ載せて頂戴ね」
「だそうです。それで良い?」
「そんなわけには…」
「良いのよ。スタッフ集めたのも全部こっちの事情だしね。カオルで回収させて貰うから、どちらかって云えば加奈子ちゃんにギャラ払わないといけない感じよね」
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