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表情を歪ませ、今にも泣きそうなありさが、閉まるエレベーターで逃げていった。
訳がわからずエレベーターのボタンを何度も押したが、どんどん下へ下りていくそれはどうやっても開かない。
次に上がってくるまで待てそうもなくて、ここに引っ越してきて初めて非常階段を駆け降りていた。
部屋の前に永遠達を残したままだったが、玄関は開いている。
何とかなるだろうと思うことにして、ただひたすらありさを追いかけた。
マンションを出て大通りが見えたところで、ありさがタクシーに乗る姿が見えた。
流石にタクシーには追いつけない。
ポケットから携帯を取り出し、ありさにかけてもやはり出てはもらえない。
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