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「前の彼氏の所はないと思うんです。他はわかりません」
『わかった。古本はありさが戻るかもしれないから、自宅待機。俺が探すから心配しなくていい』
* * * * * * * *
電話を切ってすぐに部屋を飛び出した。
元はと言えば、昨日のアイツの電話のせいだ。
昨日午後から仕事に出掛けた俺に、突然かかってきた1本の電話。
『海翔? オレオレ』
俺の名前を知っているオレオレ詐欺、ではなくて兄の永遠(とわ)。
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