第1章

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 ピッ ピピピピピピッ ピピッ 「ふぁ…」  欠伸をしながら、目覚ましを止める。 「もう時間…?って、あっ」  時計を見ると、8:30と表示されていた。  8:30までには学校に着いていなければいけないはずだが…。 「わーお、遅刻決定」  特に焦ることなく淡々と呟くと、制服に手を通しリビングに降りていく。 「あ、やっと起きたの?目覚ましずっと鳴ってたよ」 「なら起こしてくれてもよくね?」 「高校生にもなって親に甘えんな」  早く学校行きなさい、と言われながらまた一つ欠伸をした。 「あ、そうそう。今日から1週間お婆ちゃんの家に泊まりに行くからって 前に言ったよね?」   玄関で靴を履いていると後ろからお母さんに声をかけられた。   「あ、今日からだっけ?私は行かなくていいんでしょ?」 「うん。お母さんとお父さんで行ってくるわ。だから、留守番よろしくね」 「了解。お婆ちゃんによろしく言っといて」 「わかった。祐希のことよろしくね」 「はいはい。んじゃ、行ってきます」  行ってらっしゃいと親に見送られながら家を出た。  時刻は、9:15。
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