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土方さんと話したあの夜から一週間程は経った。
あれから一さんや沖田さんとも再会して話をしたり、稽古をたまに覗いたり。
女中の仕事については私と同い年くらいのお小夜さんという人が監視という名目を加えて側について教えてくれた。
少しおどおどしているその彼女は、頼りなくも感じたけど根は真面目な性格なようで細かいことまで教えくれて私としては助かった。
だけど、時々、私はなんでこんなところで働いてるんだろうと本来の立ち位置と今の状況の矛盾さに少し戸惑っていた。
「出来ることなら逃げ出したい……」
そんな独り言を呟きながら、毎朝の日課になりつつある洗濯物を抱えて井戸端に向かう途中、
「すみません」
と、一人の見知らぬ隊士に話しかけられた。
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