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スタートは緊張してた。目の前いる男は、今まで自分が会ってきた無法者とは別格であると。それでいて、雰囲気がどことなく、恩人であるティックに似ていた。
だが、それがどうしたという。いくら、トコリコが別格であろうと、恩人に似ていようともやるべきことは一つしかない。
「私は保安官です。あなたが、どこの誰であろうと関係ありません。私は、あなたを逮捕します」
「そうか・・・。だったら、やるしかないか」
トコリコは自分の左腕の銃器をスタートに向ける。スタートも拳銃をトコリコに向けた。
あとは決闘の合図を待つまでだった。
静かな緊張が辺りを包み込んだ。
「ん?」
トコリコは自分の足に違和感を感じて下をみる。すると、さっき気絶したと思われた男が、トコリコの片足をしっかりと掴んでいた。
「へっへっへっへ!舐めるなよ!」
「オレ様の足なんか、掴んでどうするつもりだ?」
「決まっているだろう。こうするつもりだ!」
男が叫んだ。すると、今度はスタートの両腕が掴まえられた。
「え?え?」
何事かとスタートが振り返ると、トコリコに吹き飛ばされた他の男達がニタニタと笑いながらスタートの手足を掴んでいた。
「女が一端に銃を振るうな!」
「こ、コラ!放しなさい!」
「いやなこった。おい!そこのオッサン!よく見てろ!この女をこれから、痛めつけてやるぜ!お前がふざけたマネをするから、無関係な女がケガするんだ!」
小悪党らしい姑息な手段だ。トコリコに勝てないと分かったから、無関係なスタートをいたぶるなど。
「何だと?」
トコリコは表情を変えた。
スタートは抵抗しようとしたが、背後からの不意打ち。両手を抑えられ、拳銃を奪われては何もできなかった。
「こいつ、保安官ってのは本当らしいぜ。みろよ、この銃、アイトーン製の銃だ」
「この女はもったいねェ代物じゃねぇか!拳銃が錆び付くぜ!」
男達は好き勝手なことを言いながら、スタート愛用の銃を見ていた。拳銃よりも色気に興味がある男はスタートを押し倒し衣類を無理矢理、剥ぎ取ろうとしながら、
「オッサン!見ておけよ!これから、この女をヤッてやるから!」
下品に涎を垂れ流しながら男はスタートの衣類に手をかけようとした。
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