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山岡工場長に謝らなきゃ、そして、早退届けも出さなきゃ……。
起き上がって、会議室から出ようとすると、
「救急車呼ぼうかと思ったぞ」
私の心臓を揺らす声が入ってきた。
「ご、ご迷惑おかけしましたっ……」
コックコートを脱いだ山岡工場長が、ティシャツ姿で現れる。
「昨日、風邪ひかせた ″ 責任 ″ 取っただけさ」
イヤミとも、気遣いとも とれる言葉が
私を気楽にさせた。
「…………私、クビになりますか?」
「はっ?なんで?」
私の横に腰かけた山岡工場長から、
自分とは違うタバコの匂いがした。
「使えない女だからです」
不器用で、大雑把で、要領の悪い、
バツイチ、子持ち。
また、迷惑をかけてしまうかもしれない。
「使えるようにしてやるよ」
「えっ」
山岡工場長は、
私のオデコに手を当てて、「8度位か?」と、一人頷くと
「病人には、なんもしない。
体調良くなったら覚悟しとけよ」
と、
意味深な言葉を残して、会議室を出ていってしまった。
な
なにを____?
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