第2話

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「ママ!しまじろ、みたい!」 仕事を早退し、病院にて受診後、 そのまま芹南を迎えに行った。 「DVD観たいの?」 子供の通信教育のキャラクターのアニメ。 「ママもみていいよ」 「やったー!」 …………熱はまだ、下がらずこのまま、布団に入って眠りたいのは やまやま、 元気な娘が起きている間は寝ることが出来ない。 一緒にお昼寝してくれたらいいのだけど。 「ママ、しまじろが、ニンジンのこしてる!」 「うん…………ダメだよね、食べなきゃ」 布団を敷いて、ウトウトしながら一緒にDVDを観ていると、 Trurururu…………と、家の電話が鳴り始めた。 携帯ではなく、家電にかけてくる人は限られている。 「もしもし?苺?」 私のお母さんだ。 「最近、全然顔を出さないけど、芹南もあんたも元気なの?」 一人住まいの母。 車の免許も持たず、おまけに足腰が弱いため、あちらから、こちらに出向いて来ることは殆どない。 「二人とも、風邪気味だけど、元気だよ」 こんな風に具合悪いとき、 頼れたらいいのだけど。 「元気なら、いつでもいいから芹南連れて遊びに来なさいね! お母さん、孤独死したらどうするの?」 私が小学校の時に離婚した母親は、 「ゴメン、風邪治ったら行くから」 夫と私の離婚を、最後まで反対した唯一の人だった。 「母子家庭は、大変なんだからね、なんかあったら、優さんに頼りなさいよ」 優とは、 別れた夫のことだ。
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