第2話

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「あんたたちは離婚したって、芹南の両親は二人だけなんだから」 電話の向こう、言ってることは間違ってはいないのだけれど、 「そうだね、でも、今は大丈夫みたい」 私と娘を捨てた優には、できたら、ずっと 何事も頼りたくはない。 「芹南、おばあちゃんから電話だよ」 実母といえ、その言動が、時には疎ましかったりもする。 そんなときは、芹南に母の相手をしもらう。 「ばーたん、バイバイ」 とは言っても、2歳の娘に私の思惑なんか 伝導するわけもなく、 夢中になっているシマジロを観るために、 その電話を早々と切ってしまう。 子供は、無邪気で、 そして、 冷たい。 チロリン♪ 今度は、携帯電話にメールが入る。 これは、母からではない。 ____″ メールを1件受信しました ″ from すぐる 「………………」 別れた夫からだった。
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