254人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんたたちは離婚したって、芹南の両親は二人だけなんだから」
電話の向こう、言ってることは間違ってはいないのだけれど、
「そうだね、でも、今は大丈夫みたい」
私と娘を捨てた優には、できたら、ずっと 何事も頼りたくはない。
「芹南、おばあちゃんから電話だよ」
実母といえ、その言動が、時には疎ましかったりもする。
そんなときは、芹南に母の相手をしもらう。
「ばーたん、バイバイ」
とは言っても、2歳の娘に私の思惑なんか
伝導するわけもなく、
夢中になっているシマジロを観るために、
その電話を早々と切ってしまう。
子供は、無邪気で、
そして、
冷たい。
チロリン♪
今度は、携帯電話にメールが入る。
これは、母からではない。
____″ メールを1件受信しました ″
from すぐる
「………………」
別れた夫からだった。
最初のコメントを投稿しよう!