土曜日の水槽

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どうしたんだろう。 イツキさんの白いシャツに、 私の手が震えながらくっつている。 振り返った顔が、 くしゃりと緩んだ。 「…もう、俺はいらないんじゃないの?」 優しく抱きしめられ、 ズルい私は何も言えなかった。 「行こうか」 私は、 イツキさんから視線を離さず、 ゆっくり頷いた。
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