2173人が本棚に入れています
本棚に追加
1人妄想に耽っている間に、海翔さんは出かける準備をして車のキーを手にした。
「あ、はい。遠くまで行くんですか?」
たかがランチに車で出掛けなくても、この辺りには美味しいお店がいくつもあるのに……。
「兄貴の店。昨日紹介し損ねたから」
「はぁ……」
きっとお昼時は忙しくて迷惑なんじゃ? と思ったけど、はっきり確認したい気持ちの方が勝ってしまい、そのまま飲み込んだ。
普段渋滞だらけのオフィス街は、ゴールデンウィークともあって、人も車も少なくてスムーズに進む。
どこに行くかはわからないけど、お兄さんに会うということで、大人しめで清楚なイメージのワンピースを着た。
.
最初のコメントを投稿しよう!