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3時間もかけて地元に戻り、多少連れ戻されたものの、
徒歩と浩介の車とで1時間、実家の目と鼻の先まで辿り着いたというのに、
その1時間後にはまた海翔さんの部屋にいた。
時刻はもうすぐ午前11時。
呆気ない逃亡劇だった。
リビングのソファーで、手渡されたコーヒーを一口飲んでため息を溢す。
「この期に及んでため息とはいい度胸だな」
着替えに行っていたはずの海翔さんが、リビングの入口で腕組みをしてドアに凭れるように立っていた。
「はぁ……」
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