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そんな要素どこにもなかったはずなんだから。
あの場所で1人にならなければ、水族館が見えなければ、
携帯電話さえ持っていれば、浩介に会うことはなかっただろう。
「そうなのか?」
「……違います! 偶然です。手ぶらでお財布も携帯もなくて、水族館で働いてる浩介を思い出して、携帯を借りようと思ったら送ってくれるっていうから……」
「ほう、それで俺以外の男の車に乗ったのか?」
ダメでしたか? と聞くまでもなく、怒りを露にした瞳にたじろいだ。
「どこに自分の女が他の男の車に乗るのを喜ぶ奴がいる?」
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