プロローグ

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脇役の転生者 暇潰しの独り言── うーん、君は何時眠るんだい? ここ一週間累計で……君は二十九時間しか寝てないじゃないかい。 あぁ、あぁ、あぁ。全く、何故誰も止めないんだよ。これじゃあ身体が先に壊れてしまうじゃないか。普通なら、寿命は確実に縮まってるぞ。 ……普通なら、何だよね。君の恐ろしい所はアレだよ。自分の一日の限界量を理解して、肉体の許容量ギリギリを見定めてる事だ。 でもさ、みんな酷すぎる。今の君の行動を止めず、助長し、誉める事が……どれだけ残酷な事なのか分からないのか? 努力するのは大切だよ? ……だけどさ。周りの人達が誰か一人でも、一人だけでも幼い時の素の君を認めてくれたのなら、こんな地獄を味あわなくても良かったんじゃないか? …………勝手な話か。それこそ身勝手で押し付けるような話だよね。 だって、僕は君の才能を奪った原因の張本人なんだから。あぁ、あ。結局、僕は誰かにこの罪を押し付けたいだけなんだろう。 だったら、この景色は僕への裁きなのかな。君が苦しんで、もがいて、蠢いて、血を吐いてまで進もうとする景色を、とっても強い僕が傍観する事が……償いに繋がるのかな。 …………全く。誰も彼も狂ってる奴ばっかりだ。もし、悪人とかチャチな奴がこの世界を覆うとしたらどうなるんだ? もしかしたら、その悪人とやらは自分が胃袋の中にいるとも知らないで高笑いしてるのかもね。君のように……自力でここまで狂った人間を見てると、そう思えるよ。 お、っと。ヤバいかな。君がシャワーを浴びる姿は目に毒だからさ、いや、なんか申し訳ないと言うか……ん。ま、今日くらいいいよね。 何だか、自分の性癖を晒してしまった気がするのは気のせいか?
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