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主人公『悪』は腹を抱えて嗤いながら──
ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! やっぱり何度見ても最高だなぁ? どんな劇よりも笑えて腹が痛くなるぜ!!
こりゃあ喜劇だよ、いやマジで。ヒヒ、ヒヒヒ……駄目だ。どんな物語でも涙を流さない俺が、こんなに泣けるだなんて……。
しっかしさぁ、マジで惜しい事したよな、お前。コイツってどう考えても、俺ら寄りになるはずだったじゃん?
あーあ。ハイハイ、もう何回も聞いたぜその愚痴は。ってか、このやり取りも何回目だっつー話か。
まぁ、待てよ。俺が今から華麗に推理してやるからさ。興味無い事とか、一瞬で忘れられちゃう俺の脳が思い出しかけてるのはある種の奇跡だよ。
…………ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! やっべ、思い出したらまた笑えてきたよ。本当に笑えるぜ!!
アレだろ? 確か、一人の格好いい少年と平凡野郎が織りなすシアワセなお話だったろ? もうこの時点で噛ませ臭いけどなぁ。
しかし、ソレをお前は最後にちょちょいと引っ掻き回しただけなんだろ? いやー、俺も人間なめてたわ。本当に。
あそこまで人って残酷になれんだな。ソレって凄いわ。ま、……俺は人よりも素直なだけなんだって理解したぜぇ?
ドロドロでグチャギチャで歪んで腐って肥溜めから生まれたみたいな本性ってのは、一皮剥けば誰にでもあるもんなんだよなぁ? ヒハハハハハハ──ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
だからこそ、俺は自分を誇るぜ。例え、狂った世界に飲み込まれようと、胃袋の内側から食い尽くしてやるよ。
見てろよ。
自分を偽る屑ども。
これが人間だ。
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