●●さん

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「今日の五時間目は小学三年生の教室移動のお手伝いをしに行きます」 担任が朝のHRでそう言った。 私はその小学校の隣にある高校に通っている。 子供が嫌いだから憂鬱だった。 雨が降っている訳でもないのに、その小学校の中はどんよりと暗かった。 (なんか…幽霊でも出そうな雰囲気) 階段で荷物を運んでいて、ふと後ろを見た。 「!!!」 (あの女の子…足が透けてる!!) 目が合ってしまった。 目が合ってからずっとついて来る。 私は怖くなってリンに言った。 「後ろに…女の子の幽霊がついて来てるから、一緒に行動してくれない?」 「うそ…いや、まじか。葵ちゃんって霊感あるもんね」 「最近だけどね。慣れないなぁ…」 ていうか…やっぱりついて来る。 「…トイレ行こう。トイレ」 私はそう言ってトイレのドアを開けた。 「………びっくりした…」 「どうしたの?葵ちゃん。早く入りなよ」 「あは…は、あはははははは」 私はもう笑うしかなかった。 「ドアっwwwwあ、開けたらww目の前に居たwwwwwwww」 「えっ!?」 「あー…なんか怖くなくなってきた」 そして私たちは教室移動のお手伝いを済ませ、高校に帰った。 六時間目がまだあるので準備をしようと教室に入った。 「……………」 驚愕だった。 「なんで…ここに居るの」 幽霊は見えるけど憑かれたのは初めてだった。 涙が出てきた。 怖いというのも少しあったけど、普通に生活出来ないということに悲しくなった。
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