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頑張って!ゆーちゃんなら大丈夫―――って本当は言わなきゃいけないって分かってた。
でも私の口から出てきた言葉は……
「嫌だっ」
ゆーちゃんの顔が一気に曇り、歪んでゆくのが分かった。
私の一言がゆーちゃんを困らせているのだと分かっていても、いつもみたいに笑って誤魔化したりできなかった。
「幸江……」
悲しそうに私の名を口にいするゆーちゃんの顔に胸がチクリと痛む。
「H大でいいじゃん。ゆーちゃんも気に入ってたでしょ?」
どうにか思い直して欲しくて必死に説得しよと試みる。
でもゆーちゃんの顔は曇ったままで、私の言葉では気持ちは変わらないのだと……
もう気持ちが完全に固まっているのだということが分かった。
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