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ゆーちゃんは何も悪くない……
単なる私の我ままで、ゆーちゃんを困らせているんだって、本当はよく分かっていた。
でも突然の言葉に私はその現実を受け入れる事ができなかったのだ。
本当は少ししたら「頑張って」って笑顔で言うつもりだったが、あまりにもゆーちゃんが申し訳なさそうに私の顔色ばかり伺ってくるから、引くに引けなくなっていた。
いや、これも自分に都合の良い言い訳を並べているだけだ。
もしかしたら私が嫌だって言い続けていたら、ゆーちゃんが諦めてくれるかもしれないって心のどこかで期待している。
でも、そんな自分がすごく嫌で嫌で堪らなかった。
「ごめんね、ゆーちゃん」
少し肩を落とし帰るゆーちゃんの後ろ姿をカーテンの隙間から盗み見ながら、私は謝りの言葉を口にした。
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